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身近な食材で薬膳を楽しむ Vol.3 

日毎に寒さも増してきましたね。間もなく冬の到来です。漢方では季節に適応した養生をすることで免疫力が高まり、健康に過ごせると考えます。今回は冬の養生ポイントと、スーパーで購入できる身近な食材で、ご家庭でも簡単に作れる冬の薬膳をご紹介します。手軽におつまみを作る感覚で、食卓に医食同源の一品を加えてみませんか。


冬の養生ポイント~腎を養って、老化の進行を遅らせよう~

冬は腎の働きが弱くなりやすい季節。腎のエネルギーを補うことが養生のポイントです。漢方での腎は水分代謝の他に、生命エネルギーを貯蔵して、成長・発育・生殖・老化をコントロールしています。脳の健やかな活動や骨、歯、髪、耳とも密接に関係しており、腎のパワーが衰えてくると、物忘れ、足腰膝の不調、排尿トラブル、性機能の減退、歯のぐらつき、抜け毛や白髪、難聴など、いわゆる老化現象が現れます。
その腎は寒さにとても弱い臓器なので、冬に腎のケアを怠ってしまうと機能の低下を招くと同時に、老化のスピードも速めてしまいます。
冬は腎のある腰回りを冷やさないようにし、食事も体を温め、腎のパワーを上げる食材を用います。腎を元気にして、抗老防衰(=アンチエイジング)につなげましょう。

冬におすすめの食材~腎をサポートする食材~
腎を養い機能を高める食材を取り入れましょう。これらは「人生100年時代」と言われる近年、体と脳、美容の面でもアンチエイジングに役立つ食材として注目が高まっています。また、体を温める力の大元である腎陽を補う食材は、冷えが気になる方にもおすすめです。

・腎のエネルギーを補う食材
黒米、黒ゴマ、小麦粉、枝豆、カリフラワー、キャベツ、ごぼう、ブロッコリー、マッシュルーム、どんこ椎茸、山芋、ブルーベリー、プルーン、ぶどう、カシューナッツ、栗、クルミ、鮑、鰻、えび、貝柱、牡蠣、
鰹、さざえ、ししゃも、すずき、すっぽん、真鯛、なまこ、ふぐ、鯨、羊肉、豚肉、鹿肉、鶏レバー
・腎陽を補う食材
えび、羊肉、鹿肉、クルミ、ニラ
・脳の働きを健やかにする食材
クルミ、栗、ウニ
脳の形に似ているこれらには、集中力向上や健忘予防などの健脳作用があります。形が似ているものは、その部位を補う「似類補類(にるいほるい)」と言う薬膳の考えです。
・薬膳の代表的なアンチエイジング食材
黒い食べ物は腎に働きかけます  黒豆、きくらげ、黒ゴマ、昆布、どんこ椎茸、栗

文・写真: 国際中医師 国際中医薬膳師  佐藤千代